人工透析の現状

高齢社会の進展が人工透析へのニーズを押し上げる!?

人工透析とは、加齢や糖尿病などの病気から腎臓の働きが低下した患者に行う治療法のことです。治療や予防の普及に伴い、患者数の増加はやや鈍化傾向にありますが、高齢化の進展により人工透析の患者数は増加傾向にあり、今後もニーズは続くものと考えられます。

 

【慢性透析施設数と患者数の推移】

(単位:施設、人)

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

施設数

4,152

4,205

4,233

4,264

4,330

患者数

298,252

304,856

310,007

314,438

320,448

(出所:日本透析医学会「図説 わが国の慢性透析療法の現況」)

(注1)上表は本稿の作成・更新時点で入手可能な最新の数値ですが、その後の新しいデータの公表により数値が遡及修正されることがあります。また、各年12月時点の数値です。

(注2)施設数については、日本透析医学会がアンケートを行った慢性透析施設のうち、回答のあった施設を掲載しています。

 

ニーズの高まりを受けて、新しく人工透析外科を新設する病院や、人工透析センター誘致を進める自治体なども出てきています。ただし、人工透析は診療報酬改定のたびに技術料や材料費が引き下げられ、収益性が低下しているのも事実です。実際に人工透析センターを開業する際には、患者数などを推計しながら、しっかりと開業収支シミュレーションを立てることが重要です。

医療機関の開業収支シミュレーションを考える際には、厚生労働省のデータなどから実際の損益状況に基づいて収入や費用などを設定しますが、人工透析に特化したデータはなかなかありません。そこでこの記事では、確認できる人工透析の施設数や患者数などに基づいて開業収支シミュレーションを考えていきます。

人工透析センターに必要な機器や装置

人工透析治療には、人工腎臓や人工透析装置(透析ベッド)が必要です。現在では1施設当たり平均約30台の人工透析装置を備えていると推計されます(日本透析医学会「図説 わが国の慢性透析治療法の現況」)。

【1施設当たりの人工透析設置台数の算出根拠】

  • 人工透析を行っている医療機関の施設数:4,330施設
  • 人工透析装置数(透析ベッド数):13万1,555台